秋の夜空にぽっかりと浮かぶ満月。静かに輝くその姿を眺める「お月見」は、日本の四季を感じる美しい風習のひとつです。でも、「お月見って何をするの?」「いつなの?」と聞かれると、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。

お月見は、ただ月を眺めるだけのイベントではありません
その背景には、自然への感謝や収穫を祝う意味が込められていて、古くから人々の暮らしに寄り添ってきました。月見団子やススキを飾るのにも、ちゃんとした理由があるんです。



この記事では、2025年のお月見の日程をはじめ、由来や意味、そして現代でも楽しめるお月見の過ごし方をやさしく解説します
秋の夜長、月を見上げながら心を整えるひとときを、今年はぜひ味わってみませんか?
十五夜の意味


お月見は自然の恵みに感謝する、日本の美しい秋の風習
秋の夜空にぽっかりと浮かぶ満月。静かに輝くその姿を眺めながら、季節の移ろいを感じる…それが「お月見」です。月を愛でるこの風習は、ただの観賞イベントではありません。



古くから日本人の暮らしに根付いた、自然への感謝と祈りの行事なのです
2025年の十五夜(中秋の名月)は10月6日(月曜日)。この日、空を見上げてみませんか?月の美しさだけでなく、その背景にある文化や意味を知ることで、秋の夜がもっと豊かに感じられるはずです。
お月見の由来と意味を知ると、もっと楽しめる
お月見の起源は、平安時代にさかのぼります。もともとは中国の「中秋節」が日本に伝わり、貴族たちが舟を浮かべて月を眺めながら詩を詠むという優雅な行事として広まりました。



やがて庶民の間にも広がり、農作物の収穫を祝う行事として定着していきます
月は、古来より「豊穣」や「命の象徴」とされてきました。満ち欠けを繰り返すその姿は、自然のリズムそのもの。とくに十五夜の満月は、収穫の時期と重なることから、感謝と祈りの対象として大切にされてきたのです。
また、月見団子やススキを供える風習にも意味があります。団子は、収穫への感謝と健康を願う象徴。



ススキは、神様の依り代(よりしろ)とされ、魔除けの意味もあるんですよ
2025年のお月見日程と楽しみ方


2025年のお月見日程
お月見には「十五夜」だけでなく、「十三夜」や「十日夜(とおかんや)」など、複数の月見行事があります。
- 十五夜(中秋の名月):2025年10月6日(月)
→ 最も有名なお月見。満月とは限らないけれど、月の美しさが際立つ日。 - 十三夜:2025年11月2日(土)
→ 日本独自の風習。十五夜に次いで美しいとされる月を愛でる。 - 十日夜(とおかんや):2025年11月29日(土)
→ 東日本を中心に行われる収穫祭。月見というより、田の神様に感謝する日。
これらの日程は旧暦に基づいているため、毎年変わります。



十五夜=満月と思われがちですが、実際には1〜2日ずれることもあるので、天気予報と合わせてチェックしておくといいですね
お月見の楽しみ方
お月見は、特別な準備がなくても楽しめる行事です。でも、ちょっとした工夫で、ぐっと風情が増しますよ。
1. 月見団子を用意する
白くて丸い団子をピラミッド型に積み上げてお供えします。数は十五夜なら15個、十三夜なら13個が基本。最近では、あんこ入りやみたらし風など、アレンジ団子も人気です。


2. ススキや秋の七草を飾る
ススキは神様の依り代として飾ります。秋の七草(萩、桔梗、葛、藤袴、女郎花、尾花、撫子)を添えると、より季節感が出て素敵。
3. 旬の食材を楽しむ
里芋、栗、柿など、秋の味覚を取り入れた食卓を囲むのもおすすめ。団子だけでなく、季節の恵みを味わうことで、自然への感謝が深まります。


4. 家族や友人と月を眺める
ベランダや庭、公園などで月を眺めながら、静かに語り合う時間は格別。子どもと一緒に月の模様を探したり、昔話を語ったりするのも楽しいですよ。
5. 地域の風習を楽しむ
「月見どろぼう」という風習をご存じですか?子どもたちが近所の家を回って、お供え物をもらうという、ちょっとした“お月見版ハロウィン”のような行事。地域によっては今も残っているので、調べてみると面白い発見があるかも。
お月見は、心を整える秋のひととき
お月見は、ただ月を眺めるだけのイベントではありません。自然の恵みに感謝し、季節の移ろいを感じ、家族や大切な人と心を通わせる。



そんな豊かな時間を過ごすための、日本ならではの風習です
2025年の十五夜は10月6日(月)
忙しい毎日の中で、ほんのひととき空を見上げてみませんか?月の光に包まれながら、静かに過ごす時間は、きっと心を整えてくれるはずです。
団子を用意してもいいし、ススキを飾ってもいい。何も準備しなくても、ただ月を眺めるだけでも十分。大切なのは、「季節を感じる心」と「自然への感謝」。それが、お月見の本当の意味なんです。
今年のお月見は、ちょっとだけ丁寧に。



秋の夜空に浮かぶ月が、あなたの心をそっと照らしてくれますように
お月見団子の超簡単レシピ(約15個分)


材料
- 団子粉:100g
- 水:80ml
- お湯・冷水:適量
- お好みのトッピング(きなこ、あんこ、黒蜜など)
お月見だんごの作り方
- 生地をこねる
ボウルに団子粉と水を入れて、耳たぶくらいのやわらかさになるまでよくこねる。水は少しずつ加えて調整してね。 - 丸める
生地を15等分にして、手のひらでころころ丸める。だいたいピンポン玉くらいのサイズが目安。 - ゆでる
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、丸めた団子を入れる。浮かんできたらさらに3分ほどゆでる。 - 冷やす
ゆでた団子を冷水にさらして冷まし、水気を切る。 - 盛り付けて完成!
器に盛り、お好みでトッピングを添えて召し上がれ。きなこやあんこ、黒蜜をかけるとさらに美味しいよ!
このレシピなら、30分もあればふわもちの団子が完成!



もっとアレンジしたいなら、豆腐を混ぜてもちもち感をアップさせたり、かぼちゃを練り込んで秋らしくするのもおすすめです
参考レシピはこちらでも見られるよ:クラシルのレシピ
今年のお月見は、手作り団子で月を眺めながら、ほっこりした時間を過ごしてみてね
まとめ
お月見は、月の美しさを愛でるだけでなく、自然の恵みに感謝し、季節の移ろいを感じるための大切な行事です。月見団子やススキを飾る意味を知ることで、ただの風習がぐっと身近に、そして深く感じられるようになります。
2025年の十五夜は10月6日(月曜日)。忙しい日々の中でも、ほんの少し立ち止まって空を見上げるだけで、心がふっと軽くなる瞬間があるはずです。家族と一緒に団子を囲んだり、静かな場所で月を眺めたり――その時間が、きっとあなたの秋を特別なものにしてくれるでしょう。
お月見は、難しい準備もいりません。大切なのは、月を見ながら「ありがとう」と思える気持ち。今年は、そんなやさしい時間を過ごしてみませんか?



